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【音楽の盗作問題】なぜ話題になる?J-POPの具体例と以外な結論

トレンド

音楽を聴いていて「この曲、どこかで聞いたことがある…?」と思った経験はありませんか?

J-POPをはじめ、世界中の音楽シーンでは「盗作」や「パクリ」といった問題がたびたび話題になります。ある曲が別の楽曲と似ていると指摘されると、SNSやメディアで大きな議論になることも少なくありません。

しかし、音楽には共通するコード進行やメロディーパターンが存在し、似た曲が生まれること自体は自然な現象でもあります。では、どこからが「影響」や「オマージュ」で、どこからが「盗作」なのでしょうか?

この記事では、音楽の盗作問題について考え、実際にJ-POPで「盗作」と言われた楽曲の例を挙げながら、議論のポイントを整理していきます。

1. 音楽の盗作問題とは?何が問題なのか?

盗作のイラスト

前半はこんなテーマでお届けしたいと思います。

盗作の定義とは?
音楽には「かぶる」ものがある
数学的に見る「オリジナリティの幻想」
では早速まいりましょう。

盗作の定義とは?

音楽の盗作(パクリ)とは、既存の楽曲を意図的にコピーし、自分の作品として発表することを指します。しかし、音楽には「影響」や「インスピレーションを受けたもの」と「盗作」の境界線が曖昧な部分があります。

一般的に、盗作と判断されるポイントは以下のようなものです。

メロディーやコード進行が酷似している
リズムやフレーズがほぼ同じ
原曲のアーティストが盗用を主張している

しかし、音楽は12個の音しか使えず、組み合わせには限界があります。そのため、完全に新しいメロディーを作ることは理論上不可能とも言われています。

1. コード進行には“王道”がある

ポップスでは、聴き心地がよく多くの人に受け入れられやすい「定番のコード進行」がいくつか存在します。

  • カノン進行(4536251)
    例:C → G → Am → Em → F → C → Dm → G
    この進行はクラシックの「パッヘルベルのカノン」に由来し、J-POPだけでなく世界中のポップスで頻繁に使われています。

代表例: スピッツ「空も飛べるはず」

あいみょん「マリーゴールド」など

4536進行(IV-V-iii-vi)

例:F → G → Em → Am(キーCの場合)
「泣きのコード進行」とも呼ばれ、多くのバラードや感動系の楽曲で採用されています。

代表例: SMAP「夜空ノムコウ」

GReeeeN「キセキ」など

こうしたコード進行は、多くのヒット曲で使われているため、結果的に曲同士が似て聞こえる要因になります。

メロディーラインにはよく使われる型がある

音楽理論的にも、心地よく聞こえるメロディーには一定の法則があります。例えば、「順次進行」や「跳躍進行」のバランスがメロディーの印象を大きく左右します。

  • 順次進行: 音が隣り合う音階をなめらかに進む(例:ド→レ→ミ)
    → 親しみやすく、歌いやすいメロディーになりやすい
  • 跳躍進行: 大きく音程が飛ぶ動き(例:ド→ソ→レ)
    → キャッチーなフレーズを作るのに効果的

特にJ-POPでは、「サビで音域を広げる」パターンが定番です。Bメロまでは比較的狭い音域を使い、サビで高音を出すことで一気に盛り上げる構造になっています。
このため、結果として多くの楽曲が似たようなメロディー展開になりやすいのです。

例:

Mr.Children「Tomorrow never knows」

B’z「LOVE PHANTOM」

宇多田ヒカル「First Love」

あえて全く違う特徴のアーティストをご紹介しましたが、これらに共通するポイントはサビで一気に高い音になると言うところです。

3. リズムパターンにもトレンドがある

リズムも楽曲の印象を決める大きな要素ですが、ある時代ごとに流行るパターンが存在します。

  • 90年代 J-POPの特徴
    • 16ビートを基調にした跳ねるリズム
    • 小室哲哉サウンドに代表される「四つ打ち+シンセ」

小室哲哉 90年代TKサウンド ヒットソングメドレー

  • 2000年代 mid-tempoバラードブーム
    • スローで感情的なバラードが多発
    • EXILE、平井堅、倖田來未などが人気に

avexメドレー【WILLCOM世代番外編】

  • 2010年代以降 K-POPの影響でダンスビート化
    • EDMの要素が増加
    • King Gnuや米津玄師など「シンコペーション」を活かしたリズムが特徴的

米津玄師 – Flamingo / Kenshi Yonezu

このように、音楽のリズムは時代ごとのトレンドに影響を受けるため、流行した時期が近い楽曲ほど似た印象を受けやすいんですね。

J-POPで「盗作」と言われた曲一覧

過去に「盗作疑惑」が話題になったJ-POPの例をいくつか挙げます。

四方八方肘鉄砲 ヤマトなでしこ七変化 / 小泉今日子 インフルエンサー / 乃木坂46 流星のサドル / 久保田利伸 シスター / ポルノグラフィティ 木枯らしに抱かれて / 小泉今日子

出典:otakutohananndaさん

これらを盗作を指摘するわけではなくあくまでエンターテイメントとしてまとめてくれているYouTubeがありましたのでご紹介します。

※法的には問題にならなかったもの、本人が「影響を受けた」と認めたものも含まれます。

これらのケースでは、実際に訴訟に発展したものもありますが、ほとんどの場合は「似ているけど盗作ではない」と判断されています。

盗作問題をネタにする人へ伝えたいこと

ここからがやっとこさ本題です。

音楽を作ったことのない人が騒ぎすぎ
「完全オリジナルなメロディー」は存在しない
「似ている=パクリ」とは限らない

こんなテーマでお届けしたいと思います。

音楽を作ったことのない人が騒ぎすぎ

僕は音楽歴20年以上になり、曲を100曲以上作ってきました。数えていないので実際はもっと多いでしょう。

作曲には以下のようなスキルが求められます。

楽器の演奏技術
歌唱力(歌モノの場合)
歌詞の世界観
コードの理解
ハーモニーの構築
曲のパート分け

音楽に真剣に取り組んでいる人なら、これらの工程を理解しているはずです。

しかし、盗作問題をネタにして騒ぐ人の多くは、音楽を作ったことがないか、自分では曲を作れない人も混ざってると思ってます。(楽しむ分には全然いいと思いますが、評論家になるとちょっと・・・)

「完全オリジナルなメロディー」は存在しない

ピアノの鍵盤には、白鍵と黒鍵を合わせてたった12個の音しかありません。この12個の音を並べ替え、リズムや強弱を変えることで曲が作られます。

理論上、完全に新しいメロディーはありえません。

ちなみに現代(音楽クラシック)を面白くまとめてくれているショート動画があったのでご紹介します。

(パロってますが、めちゃくちゃピアノうまい方ですw)

すべての音楽は、過去の音楽の影響を受けながら生まれています。J-POPも、ロックやブルース、クラシック、民族音楽などの影響を受けています。

だから、誰かの曲が「似ている」と感じても、それは自然なことであり、単なる「盗作」と決めつけるのは乱暴すぎます。

「似ている=パクリ」とは限らない

似てる曲 100連発 part1

音楽の盗作が疑われるとき、「コード進行が似ている」「メロディーが少し似ている」といった理由が挙げられることが多いですが、それだけで盗作と断定するのは難しいものです。

例えば、ポップスでは定番のコード進行が多く使われています。**カノン進行(4536251)4536進行(IV-V-iii-vi)**などは、数えきれないほどのヒット曲に使われてます。

もし「コード進行が同じ=盗作」とするならば、ほとんどの曲が盗作扱いになってしまうでしょう。

また、メロディーについても、音楽は限られた音階とリズムの組み合わせで成り立っているため、偶然似ることは珍しくありません。特に、同じジャンルの楽曲では、雰囲気やメロディーラインが似ることが自然に起こります。これは「影響を受けた」と言える場合もありますが、必ずしも意図的な盗用とは限りません。

そのため、単に「似ているから盗作だ」と決めつけるのではなく、どの程度の共通点があるのか、意図的なコピーなのか、楽曲の背景や制作過程を踏まえて慎重に判断することが重要かもしれません。

最終的に勝ったからよかったですが、エド・シーランがなぜか訴えられた盗作問題について、過去の記事で語っています。

まとめ: 完全オリジナルなんて存在しないので音楽を楽しみましょう

✔ 音楽の盗作問題は複雑で、単純に「パクリ」と決めつけるのは危険
✔ J-POPでも「盗作疑惑」はたびたび話題になるが、実際に盗作とは言えないケースがほとんど
✔ 音楽を作ったことのない人が盗作問題を騒ぐことが多い
✔ 完全に新しいメロディーは存在しない(12個の音しかないため)
✔ 「似ている=パクリ」とは限らず、音楽にはトレンドや影響がある

今日はパクリと呼ばれる音楽の盗作問題について僕なりの見解を述べさせていただきました。

結論と言う結論は特にないんですがある意味エンターテイメント的に楽しんでいただければ幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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